ジョン・シュミット
自然を愛し、繊細なワインを造るフィトゥーの大男!
ジョン・シュミットの畑より。樹齢141年カリニャン・グリ。
オーナーのジョン・シュミットは学生の時にガーデニングと林業を学び、1998 年、学校を卒業後すぐにプロヴァンスのリュベロン地域自然公園内の森林や果樹を管理する仕事に携わっていた。2001 年、同じプロヴァンスのゴルド村でレストランを経営していた彼の父が 50 歳を機にレストランを閉め、マキシム・マニョンと一緒にラングドックのフィトーに移りドメーヌ「マリア・フィタ」を立ち上げる。ジョンも、その時自然公園の仕事をしながらドメーヌの立ち上げに参加し、その翌年の 2002 年には、自然公園の仕事を辞め正式にドメーヌのメンバーに加わる。ワインづくりの素人だったジョンは、当時ボスだったマキシム・マニョンからヴァン・ナチュールの多くを学び、知識をどんどん吸収していった。2005 年、お互いのワインに対する考えの相違から、ジョンの父とマキシムは分裂。彼の父はそのままマリア・フィタを継続し、一方のマキシムは自らのワイナリーを立ち上げマリア・フィタを去った。2005 年から、マキシムの代わりに実質畑仕事から醸造まで一手に任されたジョン。2 年間は全ての責任を背負って父に尽くしたが、父の目指すワインと彼の目指すワインの根本的な相違がしばしば言い合いや口論となり、2007 年、ジョンはついにマリア・フィタを離れ、2003年に自らが手に入れた 1 ha のグルナッシュの畑にのみに専念するようになる。2011 年、ジョンは父が畑の作業中トラクターから転落し大けがを負ったことがきっかけで、再びマリア・フィタに戻ってくる。父からマリア・フィタの畑と醸造を管理することを条件に 4 ha の畑を譲り受け、翌年 2012 年正式に自らのドメーヌ
を立ち上げる。
キュヴェ【アベラ】
ジョン・シュミットは現在 5 ha の畑を一人で管理している。彼の持つブドウは主にグルナッシュ(赤、グリ、白)、リヤドネ・プル(グルナッシュの亜品種)、カリニャン、シラーで、その他マカブー、テレット、アリカントなどが少し混在している畑もある。いずれも樹齢が古く、平均が 70 年、カリニャンに至っては樹齢 140年のそれぞれ個性の異なる 7 種類のセレクションマサールが今でも健全なブドウの実を生らせる。彼は 30 匹ほどの羊を飼っていて、冬の草刈りはトラクターを一切使わず、羊たちを放牧し行う。彼のモットーは「多様性」。単一のブドウ畑だけでは病気に対する抗体が弱まるということから、植樹は必ずセレクションマサールの混植で行い、また、かつて自然公園で働いていたころに身につけた接ぎ木の技術を生かし、畑のまわりの雑木に様々な果物の枝を接木し果樹に仕立て、植物の多様性を増やしている。
キュヴェ【フジトゥ】
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